事業等の譲受けの届出制度
(公正取引委員会HPより)
事業等の譲受けの届出制度
事業等の譲受けの届出制度(独占禁止法第16条第2項)
条文
1 事業等の譲受けの届出要件
国内売上高合計額(注1)が200億円を超える会社(譲受会社)が,
(1) 国内売上高が30億円を超える会社の事業の全部の譲受けをしようとする場合
(2) 他の会社の事業の重要部分(注2)の譲受けをしようとする場合であって,当該譲受けの対象部分に係る国内売上高が30億円を超える場合
(3) 他の会社の事業上の固定資産の全部又は重要部分の譲受けをしようとする場合であって,当該譲受けの対象部分に係る国内売上高が30億円を超える場合
(注1)「国内売上高合計額」とは,会社の属する企業結合集団(注3)に属する会社等の国内売上高をそれぞれ合計したものをいいます。なお,届出会社の国内売上高が存在しない場合であっても,要件を満たし,届出が必要となる場合があります。
(注2)「重要部分」とは,譲渡会社にとっての重要部分を意味し,原則として,当該譲渡対象部分が1つの経営単位として機能し得るような形態を備え,譲渡会社の事業実態からみて客観的に価値を有していると認められる場合を指します。会社法第467条等に規定される「重要部分」とは必ずしも一致しません。固定資産の譲受けにおける重要部分についても同じです。なお,重要部分に該当する場合であっても,譲受け対象部分に係る国内売上高が30億円以下であれば届出の必要はありません。
(注3)「企業結合集団」とは,会社及び当該会社の子会社(注4)並びに当該会社の最終親会社(親会社(注5)であって他の会社の子会社でないものをいいます。)及び当該最終親会社の子会社(当該会社及び当該会社の子会社を除きます。)から成る集団をいいます。ただし,当該会社に親会社がない場合には,当該会社が最終親会社となりますので,当該会社とその子会社から成る集団が企業結合集団となります。
(注4)「子会社」とは,会社がその総株主の議決権の過半数を有する株式会社その他の当該会社が他の会社等の財務及び事業の方針の決定を支配している場合における当該他の会社等をいいます。
(注5)「親会社」とは,会社が他の会社等の財務及び事業の方針の決定を支配している場合における当該会社をいいます。
2 同一の企業結合集団に属する会社間の事業等譲受け
事業等の譲受けをしようとする会社及び事業等の譲渡をしようとする会社が同一の企業結合集団に属する場合は,届出が不要となります。
3 届出に必要な書類
(1)事業等の譲受けに関する計画届出書
事業等の譲受けに関する計画届出書:様式第12号(Word:144KB)
(2)添付書類(昭和28年公正取引委員会規則第1号第6条第2項に掲げる書類)
ア 届出会社及び相手会社の定款(注1)
イ 当該行為に関する契約書の写し
ウ 届出会社及び相手会社の最近一事業年度の事業報告,貸借対照表及び損益計算書
エ 届出会社及び相手会社の総株主の議決権の100分の1を超えて保有するものの名簿(注2)
オ 届出会社及び相手会社において当該行為に関し株主総会の決議又は総社員の同意があった時は,その決議又は同意の記録の写し(注3)
カ 届出会社の属する企業結合集団の最終親会社により作成された有価証券報告書その他当該届出会社が属する企業結合集団の財産及び損益の状況を示すために必要かつ適当なもの
以上,届出書とア~カの添付書類を青,若しくは水色のA4判紙ファイルにつづって提出してください。(穴を開けてつづるタイプのファイルの場合,届出書や添付書類は穴を開けてつづっていただいて結構です。)
(注1) 原始定款から変更がない場合は原本のコピー,変更がある場合は現行の定款に代表者が原本証明をしたもの
(注2) 株主名簿は,株式所有割合の高い順に,株主名,各株主の住所,所有株主数及び議決権保有割合を記載したもの
(注3) 届出を事業等の譲受けに関する契約承認のための株主総会等よりも以前に行う特段の事情がある場合には,届出書の「5その他参考となるべき事項」欄に株主総会等の予定年月日及び株主総会等の終了後遅滞なく議事録の写を提出する旨記載するとともに,届出会社及び相手会社の意思決定を示す文書(例えば,取締役会議事録等)の写し(原本をコピーしたものか,代表者が原本証明をしたもの)
会社法上,株主総会等を開催する必要がない場合には,取締役会議事録等意思決定を示す文書の写し
4 記載要領について
事業等の譲受けに関する計画届出書の提出に当たっては以下の記載要領を参考にしてください。
事業等の譲受けに関する計画届出書の提出に当たっての記載要領
届出書提出の要否,添付書類等についてのよくある質問はこちらから
届出後の手続(独占禁止法第16条第3項)
1 事業等の譲受けの禁止期間及び同期間の短縮
株式取得等の場合と同様,会社は,事業等の譲受けの届出受理の日から30日を経過するまでは,事業等の譲受けをしてはならないことになっています。
一方,株式取得等の場合と同様,公正取引委員会は,その必要があると認める場合には,30日間の事業等の譲受けの禁止期間を短縮することができることになっています。譲受会社から禁止期間の短縮の申出があった場合は,公正取引委員会は,以下の2つの要件を満たすときは,禁止期間を短縮することとしています。
(1) 当該事案が独占禁止法上問題がないことが明らかな場合
(2) 事業等の譲受け禁止期間を短縮することについて届出会社が書面で申し出た場合
2 審査期間
届出受理後,事業等の譲受けの禁止期間内に,審査に必要な報告,情報又は資料の提出を求めた場合には,届出受理後120日を経過した日と公正取引委員会が提出を要請した追加報告等を受理した日から90日を経過した日のいずれか遅い日までの期間に排除措置命令を行わない旨の通知をするか,排除措置命令前の通知(事前通知)をすることとなります。
3 問題解消措置不履行の場合の手続
事業等の譲受けに関する計画の届出に当たり,当事会社が独占禁止法上の問題点を解消するなどの措置を期限内に履行しないときは,その期限の日から1年間は,公正取引委員会は排除措置命令の手続を開始できることとされています。